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Vol. 11 変革を迫られる大学のミッション(3)

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┃Vol. 11 変革を迫られる大学のミッション(3)
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2017年3月23日発行
        
電気通信大学 研究戦略統括室のURAがお届けするメールマガジンです。
イベントや外部資金情報、URAの活動報告などをご紹介します。

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╋━━╋ CONTENTS ╋━━━━━━
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┃1┃トピックス
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# 変革を迫られる大学のミッション(3)・・・真の産学連携とは
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┃2┃学長インタビュー(第9回)
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# 産業界・地域社会との新しい“つながり”
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┃3┃外部資金情報
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# (予告) JST CREST・さきがけ・ACT-I平成29年度研究提案募集
# (予告) AMED 革新的先端研究開発支援事業(AMED-CREST、PRIME)
# 3月28日 農水省 平成29年度委託プロジェクト研究の公募
# 3月29日 AMED 医療分野研究成果展開事業 先端計測分析技術・機器開発プログラム
# 3月31日 JST A-STEP ステージⅢ:NexTEP-Aタイプ(平成28年度・第3回)
# 4月 5日 文科省 省エネルギー社会の実現に資する次世代半導体研究開発の公募
# 5月17日 JST 大学発新産業創出プログラム(START)「プロジェクト支援型」
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┃4┃今月のU☆RAトーク
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# 青の宝石
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┃5┃編集後記・次号のお知らせ
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【1】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   ト┃ピ┃ッ┃ク┃ス┃
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○変革を迫られる大学のミッション(3)・・・真の産学連携とは

今日の大学経営において民間企業との共同研究は極めて重要な経営戦略のひとつで
ある。
特に運営費交付金が慢性的に減額される状況下で正々堂々と、かつ大きな外部資金を
獲得できる可能性をもっている。同時にこれに伴う人材育成、とりわけアントレプレ
ナーシップの醸成は大学発ベンチャーのIPOに繋がり、思いもよらぬ内部資金の獲得
へと繋がっていく。

まず、前回言及した共同研究費用50万円と間接費10%について説明する。
共同研究はお客様である企業のために行うものである。一義的には決して大学や研究
者のためのものではない。企業も大学も期待される成果については真剣でなければな
らない。

例えば、新製品開発に向けた共同研究はその企業の将来の成長戦略に大きく貢献する
べきものであり、大学はその一翼を担う。その時、「50万円から始まる共同研究」は
本当に双方が真剣に考えたものなのだろうか。
一般に上場企業の部長クラスの裁量予算は概ね1件当たり50万円である。
いわゆる役員に諮らなくても使える予算の範囲である。百歩譲って最初はトライアル
で始めたとしても、翌年も50万円というのはあり得ない数字だ。

筆者は金融機関に勤務していた平成17年に中京地区の国立大学と3年間500万円の共同
研究契約を締結した。その時の間接費は30%である。
テーマは「今後隆盛が予想されるアグリベンチャーの発掘と育成」。
間接費の30%には以下の気持ちが込められている。

①当方のメンバーが常勤できる部屋を提供してもらうこと
②新たな研究者が必要となった時は優先して本プロジェクトに参画すること
の二点である。

企業側のニーズは、「大学のフィルターを通したベンチャーの発掘は有効か?」とい
う新しい命題に取り組むこと。大学のニーズは、他に先駆けて日本初のプロジェクト
を立ち上げること。契約書には、企業が必要とする大学の資源は自由に活用すること
が謳われた。地元金融機関を巻き込んだプロジェクトはマスコミでもテレビ、新聞、
週刊誌と大きく取り上げられた。

共同研究は、大学と企業がそれぞれの将来の発展(成長)を契約するものである。
企業の本気度(期待)は契約金額に現われるし、大学の本気度(覚悟)は間接費の
大きさに現われる。
勿論、契約の主体は大学が学長であり、企業は社長である。
大学は共同研究の成功をめざし、大学の全ての資源を投入する事を約束する。
従って、高い間接費を要求できるのである。最近間接費を2倍、3倍に引き上げ本気度
を表している大学が出てきたのは結構なことだ。

平成28年6月の閣議で「日本再興戦略2016」が決定された。ここでは~組織トップが
関与する「組織」対「組織」の本格的な産学官連携の推進~が謳われ、2025年までに
企業の大学・国立研究開発法人への投資を現在の3倍にすることが目標とされた。
同年11月30日に発表された「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン」
では、「本格的な共同研究」の実現に向けて必要な項目が詳細に述べられている。

特に大学の三つのミッションについて・・・「大学は教育・研究に加えて産学連携を
その戦略の柱とすることを明確にすることが重要となる」と三番目のミッションを
強く言及している。
相手方となる企業には自分を知らしめるためにIRを意識した働きかけを求めている
(注:ここでいうIRとはお客様である企業に対するInvestor Relationsのこと)。
最早「第三のミッション:社会貢献」は付け足しのミッションではなくなった。

大学のミッションは、安倍政権が掲げる経済成長、とりわけ物価上昇率2%を実現する
切り札として大きくクローズアップされてきた。
国も本件に関する予算化には前向きである。
今後は特定の企業に対する大学からの争奪戦が激しくなりそうな予感がする。

(平尾 敏/電気通信大学 研究戦略統括室URA)
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【2】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   学┃長┃イ┃ン┃タ┃ビュ┃ー┃(第9回)
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○産業界・地域社会との新しい“つながり”

URA①
「3月16日に100周年キャンパス竣工記念式典が挙行されました。同キャンパスは4月
 から本学の新しいシンボルとしての役割を担うことになりますが、具体的には
 どのような場所となるのでしょうか。」

福田学長
「100周年キャンパスは、UECビジョンを具現化する場となると考えています。
 留学生も入居する学生宿舎では、学生のグローバル化を進めるコミュニケーション
 づくりの場として、UECアライアンスセンターでは、入居する企業・機関との協働
 と 共創の場として、学内関係者のみならず、地域・市民の方々を始めとした様々
 な人々が常に集う場となることを目指しています。」

URA②
「UECアライアンスセンターには、本学と共同研究をしている多くの企業が入居され
 ると伺いました。」

福田学長
「UECアライアンスセンターには、様々な業種・形態の企業に入居いただけることに
 なりました。
 広い意味での大学のリソースを活用し、より多様な切り口での共同研究を進めてい
 くことを目指しています。
 数年後には、『UECアライアンスセンターに入居すると、世界も認める研究成果が
 出る!』となることを期待していますが、まずは『(研究や事業の)新しい方向性が
 出る』というようになれば良いですね。」

URA①
「入居企業の方も1階のホールを使えたり、セキュリティ扉の手前にミーティングス
 ペースがあるなど、学外の方々に対しても敷居が低い設計になっていますね。」

福田学長
「はい。本学と入居企業との1対1の連携だけではなく、入居企業同士や、さらに
 外部の企業等との連携もできるような場となるように、仕掛けを作っていきたいと
 考えています。
 さらには、調布市や地域社会の方々にとっても交流の場となるよう、公開講座や
 サイエンスカフェなどを企画して、企業や市民の方とのコミュニケーションを図り
 たいと考えています。」

URA②
「今年度に開催された新聞社との共催の市民講座では、毎回、本当にたくさんの一般
 の方々が公聴されていました。大学のサイエンスに関心を持つ方がこんなにいらっ
 しゃるとは、と驚きました。」

福田学長
「市民講座の取り組みは、今後も続けていきたいと考えています。
 これまでは、市民の方が興味・関心を持っていそうなテーマという視点で企画して
 きましたが、今後はまず未来の社会像を描いて、そこに本学の研究や技術がどのよ
 うに活かされ、貢献しているのか、という視点での企画も検討しています。
 大学の研究は、もちろん非常に専門的で高度なことを行っていますが、それらは決
 して雲の上の出来事ではなく、市民の方々の生活に密接に関わっていることを
 アピールしていきたいです。」

URA①
「UECアライアンスセンターが、大学・産業界・地域社会の“アライアンス”を牽引
 していくモデルになれると良いですね。本日はどうもありがとうございました。」

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【3】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   外┃部┃資┃金┃情┃報┃
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○JST CREST・さきがけ・ACT-I平成29年度研究提案募集の予告【公募予告】
平成29年度募集予定の新規研究領域が公表されました。
<スケジュール>
・4月中旬~6月上旬 研究課題の公募
・6月下旬~9月中旬 研究課題の選定
・10月1日(予定)   研究の開始
http://www.senryaku.jst.go.jp/teian.html

〇AMED 平成29年度「革新的先端研究開発支援事業(AMED-CREST、PRIME)」【公募予告】
公募期間 平成29年4月中旬~5月下旬(予定)
http://www.amed.go.jp/koubo/010720170310-01.html

〇農水省 平成29年度委託プロジェクト研究の公募【3/28〆】
人工知能未来農業創造プロジェクト
・AIを活用した病害虫早期診断技術の開発
・AIを活用した栽培・労務管理の適化技術の開発
http://www.affrc.maff.go.jp/docs/project/2017/project_2017_1.htm

●AMED 医療分野研究成果展開事業(先端計測分析技術・機器開発プログラム)【3/29正午〆】
新しい原理や革新度の高い「技術シーズ」を核とし、10年程度後の実用化を
目指す研究開発課題を推進。
対象者は、産と学・官が連携し、かつ医師(臨床医)が参画した開発チーム。
将来の医療機器開発を牽引する若手の研究者の応募を推奨。

以下2タイプの公募を実施。
要素技術開発タイプ:直接経費2,000万円程度/年
先端機器開発タイプ:直接経費5,000万円程度/年
http://www.amed.go.jp/koubo/020120170123.htmll

〇JST A-STEP ステージⅢ:NexTEP-Aタイプ(平成28年度・第3回)【3/31〆】
企業ニーズを踏まえた、企業による大学等の研究成果に基づく研究シーズの実用化
開発を支援
http://www.jst.go.jp/a-step/koubo/h28nextep-a-1.html

〇文科省 平成29年度省エネルギー社会の実現に資する次世代半導体研究開発の公募【4/5〆】
レーザーデバイス・システム応用研究開発領域を設置し、中核拠点及び
評価基盤領域と連携しながら、レーザーデバイスの研究開発を推進
新しいアイディアを持った若手研究者等の積極的な参画が求められる
FS:新しい応用分野の実現に必要な技術課題の探索
1,000万円程度/1機関
http://www.mext.go.jp/b_menu/boshu/detail/1383377.htm?http://www.mext.go.jp/ b_menu/boshu/detail/1383377.htm=l

〇JST 大学発新産業創出プログラム(START)「プロジェクト支援型」第2サイクル【5/17正午〆】
大学等にて、事業プロモーターのマネジメントのもと、市場や出口を見据えて
事業化をめざした研究開発プロジェクトをJSTが支援
http://www.jst.go.jp/start/boshu/h29/

【研究戦略統括室 外部資金情報一覧(学内専用)】
http://www.ura.uec.ac.jp/gakunai/fund-gakunai.html

【ご相談はこちら】
リサーチコンシェルジュ(学内専用)
http://www.ura.uec.ac.jp/concierge.html

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【4】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   今┃月┃の┃U┃☆┃R┃A┃ト┃ー┃ク┃
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○青の宝石

埼玉県の片田舎に住む私は、休日に自宅近くの小川の岸を散歩するのが日課とな
っています。この小川と隣接する森は緑の木々が生い茂り自然豊かなところです。
夏には七色に幻想的に光る「玉虫」も出てきますし、森をねぐらにするたくさん
の動物たちがここに棲んでいるのです。

小川には何十羽もの鴨が毎日飛来し、時々、散歩のおじいちゃんや孫たちからパ
ンのかけらをもらっているのを見ます。聞くところでは10数年前に鯉が放流され
たとのことでした。白鷺、つぐみ、シジュウカラなどたくさんの鳥たちがこの小
川とその横に広がる田畑を餌場にしています。

休日午前中に彼らの生命の営みを見ながら川岸を歩くと、時々素早く過ぎ去る一
陣の風のような飛翔体と出会います。青の宝石とも呼ばれるカワセミです。この
鳥の美しさは、なんとも形容しがたいものです。小枝にとまり、じっと川面を見
つめ、一瞬にして水中にダイブ。くちばしに銀色に輝く小魚をくわえさっと飛去
っていく姿は、まるで映画の一シーンのような錯覚に襲われます。

香り立つような小川のせせらぎ、夜には時おりしっぽの太い動物も徘徊する森、
私は何よりもこの川岸の散歩を楽しみにしています。

毎回この道を歩くとき川面に数羽の鴨を必ず見かけます。「お食事中ですか?」
と声をかけると、彼らは不思議そうに私を見つめながら軽妙に私との距離を置き
水の上を滑るように逃げます。

「これは驚かして申し訳ないことをしてしまった」とそっとつぶやいて私は鴨の
戯れる川岸を離れます。

3年前、腰椎圧迫骨折の病身にむち打って調布の新しい職場に杖を突きながら出
勤したのが昨日のようでした。

桜の花びらが散らずにあちこちに残っていても花見を楽しむ余裕などなく緊張し
た日々が想い出されます。

「総合コミュニケーション科学」という意味の解らない難しい言葉を初めて聞い
たのもこの頃です。そして旗揚げしたばかりという気鋭の「調布梶〇一家」にお
世話になっていると自覚したのもやはりこの頃でした。

仁義に熱く徳を重んじるこの一家のモットーは「互いを信頼し、一丸となって問
題に取り組む」というものでした。ハドソン川の奇跡のような「Team of Teams」
を地でいく結束の堅い仕事師集団と呼ばれる一家になろうとみんなが努力しまし
た。

知の巨人ノーム・チョムスキーの著作に触れ、「言語と人間の進化」に感動した
のもこの頃です。

独立心の旺盛な研究者や新しい大学の仲間たちと議論を重ね大学の未来を語りあ
って早三年。時に梁山泊を気取り「大学改革の一翼を担わん」と大きな夢を見た
こともありました。

しかし如何に志は高くとも、歳月の流れは人を待たず、老いた身に抗う術もなく
お世話になった「調布梶〇一家」を去らざるを得なくなりました。

親分、子分の厳しい徒弟制度もないこの一家での三年間は無我夢中でした。親分・
仲間には強く恩義を感じておりますし、調布の若く情熱溢れる研究者たちと一緒
にひとときでも時間と空間を共有できたことは私の望外の喜びです。

UECのコアコンピタンスともいうべき「総合コミュニケーション科学」が、川
面を飛翔する青の宝石のようにいつの日に、ひかり輝きながら大空へ雄々しく飛
び立っていくことを祈っております。

(越前谷 義博/電気通信大学 研究戦略統括室 URA)

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【5】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   編┃集┃後┃記┃
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3月21日、気象庁から東京の桜の開花が宣言されました。
全国で最も早い開花宣言とのこと。
4歳になる娘は、地面に落ちている薄ピンク色の桜の花びらを見つけては、
宝物のように大切そうに拾い、桜が咲いていることを教えてくれます。
春は別れと出会いの季節です。
また、新しいことを始めるきっかけとなる季節でもあります。
本メールマガジンも皆様に楽しんで頂きながら、有益な情報を提供するため
新しい取り組みに挑戦していきたいと思います。【michi】
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<発行>
 国立大学法人電気通信大学研究戦略統括室
 編集長:URA 関口 通江
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